• 2007.10.12

第1回 シェフ スペシャルイベント:イベント報告


集合写真

7月31日、8月1日に中村シェフをお招きしてトークイベント、ランチ、ジョイントディナーを開催いたしました。

トークイベントでは、「地方都市の料理人のありかた」をテーマに地産地消や地方都市での店づくりなどについて幅広い経験に基づいたご意見をいただきました。

⇒【たまご社) 】

トークイベント
シェフ スペシャルイベント第1回 <トークイベント> 
ホテルメトロポリタンエドモント 名誉総料理長中村勝宏氏を迎えて

「地方都市の料理人の役割」 (筆責:松成容子 たまご社)

宇都宮郊外にオープンして間もない「オトワレストラン」に、2007年7月31日の午後、東京からゲストに中村氏をお迎えし、その会は開かれました。

ホストは、フランス修行から帰国する前から「独立するなら故郷・宇都宮で」と決め、栃木の風土と食材に目を凝らし、地方都市・宇都宮ならではのフランス料理のあり方を模索してきた音羽氏。

氏はかねてから、食べ物は地域ごとの気候風土に育てられ、誰よりもまずそこに生きる人に一番に役立ち、喜ばれるべきもの、と主張していました。加えて、農産物の中央集中志向や味の全国均一化についても疑問の声をあげていました。地元の食育活動も熱心で、多年代層にむけて地元産物のよさをアピールしています。だからこそ、自分が、あるいはほかの地方で並々ならぬ努力で活躍を続けている料理人たちに、もう一度、誇りを持って「今こそ、自分たちが地元でやらなければならないことを再確認したい」という思いで、この話は始まったのです。

「フランスに行くと、ほんとうにびっくりするような片田舎に、フランスを代表するほどのすばらしいお店があるんです。そこではその地域の季節の食材に密着した料理が、プロの技術で洗練されて提供される。私もそういった、その土地に根付いたすばらしい食材を生かすきっかけを、もっと、もっと作りたいんです」。

こうして音羽氏の熱い思いは、地域の食材、料理だけでなく店作り、人育て、その人と人との連携まで視野に入れて語られました。
一方、フランス修行時代にアルザスからプロヴァンス、パリと、地方も都市も経験したうえに、日本人として初めて彼の国で星をとった料理人として有名な中村氏も、「今こそ、日本の地方に、力のある料理人が必要だ」とおっしゃっています。

「つまり料理人が、地域にどう貢献していくかということなんです。基礎のしっかりした高い技術で、地域の食材を開発する、それを発信するということもひとつ。そのためには料理講習会という方法もあるでしょう。また、地域を活性化するためには生産者、流通、料理人が一体化した活動が必要です。ばらばらではいけません。さらに、地域のよさや技術を理解する若い料理人を育てていくことも課題です。若いといえば食育の観点から学校給食へのアプローチもあります。また、地域の病院や老人施設に協力している例も全国にはあります。その拠点となる店を地元に育てて、子どもたちに伝えて、他ともつながる。そういう意識の持ち方が、これからは大事だと思います」。

くしくも同じ方向性を示唆した中村氏と音羽氏。会場に参加されていた生産者や教育、行政の方々とも活発に意見交換がなされ、また新しい出会いが生まれました。

厨房

ランチやジョイントディナーでは、このイベントのための特別メニューをお楽しみいただいたと共に、Otowa restaurantスタッフも直接ご指導いただき、とても大きなものを得ることができました。